狂犬病って、犬だけの病気じゃないんです!
こんにちは。獣医師の石井です。コラムには久々に登場させてもらいます。日に日に暖かくなり、外の空気が心地よい季節になってきました。この時期は予防接種、フィラリア予防、ノミ、ダニの予防などが始まり病院も活気付いてきます。4月から狂犬病の予防接種も始まりましたが、今日は狂犬病について簡単にお話ししたいと思います。
診察室で狂犬病の予防接種のお話しをする機会があるのですが、『うちの子はかまないからいいと思って…』『日本には無いでしょう?』という声を聞くことがあります。
確かに1956年以降、日本国内での発生はありませんが、世界では毎年5万人以上の死者を出しています。
その名称からは『犬だけの病気』と思われがちですが、全ての哺乳類に感染するのでネコ、アライグマ、キツネ、コウモリ、リスなども感染します。狂犬病が発生していない国は日本の他にイギリス、アイルランド、ニュージーランドなど世界中でわずか10カ国ほどに過ぎません。ですから海外から感染した動物が持ち込まれる可能性が十分あるのです。
狂犬病に感染すると…
ウイルスが侵入すると脳神経を攻撃するため、ヒトでは全身の神経の麻痺が起こります。喉頭麻痺により、水を飲むとひどく苦しむため別名「恐水症」とも言われます。最後は呼吸麻痺をおこして死に至ります。
動物ではその名のとおり凶暴化し、徐々に全身の麻痺が起こり同じく死に至ります。
今のところ発症すると有効な治療法は無く、100%死亡してしまう病気です。この病気を防ぐには予防接種が必要なのですが、現在日本国内で予防注射を受けている犬の数は全体の40%程度とされていて、残念ながら流行を防ぐ為に必要とされる70%をはるかに下回っています。
この病気の恐ろしさを知ってもらいたい、みんなに予防接種を受けてもらいたいと思います。ヒトも動物も安心して暮らせるようにするには日頃から予防をしっかりしておくことが大切ですね。